「笑うドーバー海峡横断部の生活」風雲編
　舞　「ミーティングのコーナー・・・」
　コーン、カポーン・・・
　舞　「・・・ふうう・・・やっぱりお風呂っていいわねえ」
黒　川「水風呂より冷たいプールの後だと余計ねえ」
京　子「銭湯でミーティングって言うのも、いいアイデアだったわねえ」
田　中「あら？仁科さんと鈴木さんは？」
高　野「そういえばずいぶん前にサウナの方へ行ったきりですけど」
鈴　木「た、ただいまあ・・・」
　舞　「鈴木さん！どうしたの、やつれきっちゃって？」
鈴　木「み、水う・・・」
　パタン
仁　科「鈴木先輩、大丈夫ですかあ？」
田　中「あ、あなたたち、いままでずうっとサウナに入っていたの？」
仁　科「私、いつもこれぐらい平気ですけど？」
黒　川「いったい普段、どういう鍛え方してるの？」
仁　科「ええっと、熱ロウ健康法って言うんですけど。お教えしましょうか？」
京　子「・・・遠慮するわ」
　舞　「とにかく、鈴木さんを休ませてあげて」
仁　科「はあい」
京　子「やれやれ、裸の付き合いも楽じゃないわね」
黒　川「そういえば、みんなずいぶんお肉ついちゃったわねえ」
田　中「『筋肉がついちゃった』って言ってよ。誤解を招くじゃない」
黒　川「あら誤解じゃないわよ。冷水に備えて体脂肪も増やしてるんだから」
田　中「あらどーかしら、人によってはそうとは限らないんじゃなくて？」
黒　川「元から筋肉ムキムキな人ならそうかもね」
田　中「・・・やるつもり？」
黒　川「・・・吹っかけたのはそっちでしょ？」
田　中「先に降参するなら今のうちよ？」
黒　川「あなたが口が聞けなくなる前にね」
田　中「ならば！ギャラクティカ・ドラゴン！」
黒　川「なんの！ブーメラン・シャングリラ！」
　ＤＯＧＯＯＯＯＯＯＮ！！！
高　野「・・・あれ？」
田　中「あ、あうううう・・・」
黒　川「お、おおおおう・・・」
　舞　「まったく、二人ともいいかげんにしなさいよね。子供じゃないんだから」
高　野「な、何が起こったんですか？
　　　　黒川さんと田中さんが殴り合うのかと思ったら、いつのまにか
　　　　間に舞さんが立っていてお二人が倒れているなんて？」
　舞　「だいたい、パート２が始まったとは言え今時『リンかけ』なんて
　　　　誰が覚えているのよ？・・・」
京　子「い、今のは・・・」
高　野「京子さん、いったい何があったんです？」
京　子「さっきお姉さんが放った技こそ、桜木家に代々伝わる一子相伝の必殺拳！
　　　　桜花圓明流！」
高　野「え、えんめいりゅう？」
　ザバッ！
京　子「こうしてはいられないわ！」
高　野「ど、どうしたんです？」
京　子「水泳に没頭しつつも、鍛練を忘れていなかったのね。
　　　　高野さん、私が空手を始めたのも、元々はいつの日にか圓明流を
　　　　打ち破って、地上最強となるためだったのよ！」
高　野「え、えええ？」
京　子「こうしてお姉さんと行動をともにしていれば出し抜かれないだろうと
　　　　思った私が甘かったわ。もっと修練しないと！」
　ダダッ！タッタッタッタ・・・
高　野「・・・ここって、いったいどういう世界なの？」
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　笑うドーバー海峡横断部の生活　風雲編３

　舞　「久々、英仏海峡横断部〜！の、ミーティングのコーナー！」
パチパチパチパチ
　舞　「さて今回は、新年会と慰労をかねて次回のミーティングを鍋大会にしよう
　　　　と思いま〜す！
　　　　ついては、何の鍋がいいかを話し合おうというのが今回の議題ですが・・・」
鈴　木「ふぐちりー！」
仁　科「かにすきー！」
　舞　「却下」
仁　科「え〜？いきなりそんな〜！」
　舞　「割り勘よ、割り勘。そんな予算出るわけないでしょ」
鈴　木「そこをなんとか？桜木グループの力で・・・」
　舞　「あのね、ドーバーまでの遠征費用がいくらになると思ってるの？」
鈴　木「しゅーん・・・」
黒　木「じゃ、まともなところで鶏肉と豆腐と野菜でヘルシーに水炊きなんてどう
　　　　かしら？」
田　中「さとみさん以前、宇宙人と奪い合って食べてたものねえ」
仁　科「・・・そのネタ、わかる人あんましいないと思う・・・」
田　中「せっかくみんなで食べるんだから普段やらない料理にしましょうよ。
　　　　チーズフォンデュなんていいんじゃない？」
鈴　木「さすが腰に手を当てて牛乳のませたら日本一といわれた美沙さんですねえ」
　舞　「ＰＣＥ版にしか出ないネタもやめなさいって」
京　子「流行で言うならやっぱりチゲ鍋よ。唐辛子とニンニクたっぷりでスタミナ
　　　　も付くわよ〜！」
黒　木「匂いそうねえ・・・」
　あーだのこーだのどーだのそーだの・・・
　舞　「まとまらないわねー・・・」
プププププププププププー、プププププププププププー
　舞　「あ、私の携帯だ」
京　子「お、お姉さん？いまの着メロ、何の曲？」
　舞　「なに言ってるの？奥田民男の『マシュマロ』でしょ？わかんないの？」
京　子「・・・わかんない」
　舞　「はい、舞です。はい？ああおじさま！ご無沙汰してます！はい、はい、
　　　　・・・本当ですか？ありがとうございます！みんなも喜びますわ！
　　　　みんな聞いて！」
黒　木「どしたの？」
　舞　「いま、レストランをやってる私のおじさんから電話があったんだけど、私
　　　　たちのドーバー挑戦の話を聞いて、応援に特上松坂牛を差し入れてくれるっ
　　　　て！」
京　子「ええ？」
田　中「ということは・・・」
全　員「すき焼きだー！！！」
　舞　「そういうこと。みんないいわね？」
全　員「異議なしー！！！」

　翌日　高野みどりのドーバー部練習日記
　○月×日
　本日はミーティングにて、すき焼きの予定でしたが、ご飯を抜いて練習に参加し
てきたメンバーが次々脱落。結局全員練習中に空腹でダウンしちゃったのですき焼
きもお流れになりました。
　・・・恨んでやる。
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　「笑うドーバー海峡横断部の生活」　風雲編２

　舞　「ミーティングのコーナー！」
　パーン！パパーン！
京　子「イエーイ！メッリー、クリスマス！」
鈴　木「わーい！」
仁　科「ジングルベ〜ル！ジングルベ〜ル！」
　舞　「・・・全く、この子達は・・・」
黒　川「まあまあいいじゃない、部長。イブなんだし、堅いこと言わない言わない」
　舞　「あなたは店の売り上げになるからうれしそうなんでしょ？」
仁　科「部長は真面目すぎるんですよ」
田　中「そうそう！こういう日にパアー！！！っとやらんでどうする！うはははは！」
　舞　「な・・・田中さん、どうしたの？」
田　中「どうしたのじゃない！部長こそもっと盛りあがんなさい！」
京　子「体育会系モードになってる・・・」
田　中「全く、世間様がみんな楽しんでるときに真面目くさってもしょうがないわよ！
　　　　誰か芸をおやんなさい！」
高　野「ちょ、ちょっと田中さん・・・」
田　中「よし！高野！おまえからやれ！」
高　野「へ？」
　舞　「いくら何でも陽気すぎるわ、田中さん、一体どうしたのかしら？」
黒　川「あーっ！これ〜？」
京　子「どうしたの？」
黒　川「・・・このシャンパン、アルコール入りだわ？」
鈴　木「え〜？」
（作者注：このお話はフィクションであります。
　　　　　未成年者の飲酒は禁じられております。絶対ダメ）
　舞　「じゃああれは・・・酒乱？」
高　野「でも、でも、でも、でも・・・」
田　中「やれったら、やれ！」
高　野「・・・わかりました。とっときの瞬間芸やります」
全　員「お〜・・・」
高　野「えとえと、これ、このヘアバンドをかぶって・・・
　　　　水野友美〜！」
　しーーーん
高　野「あの、えと、その・・・皆さん、つまらなかったですか？」
田　中「き、きさま〜！」
高　野「きゃああ！」
黒　川「な、情けない・・・」
鈴　木「あんまりよね〜・・・」
田　中「ええ〜い、こうなったら部長！あなた何かやりなさい！」
　舞　「わ、私？」
田　中「あたりまえでしょ！今こそ！メンバーの心を一つにまとめ、巨大な難関
　　　　ドーバーに立ち向かう勇気を振り絞らせるべき、あなたの人間としての
　　　　器を発揮すべき時なのよ！
京　子「そんなおおげさな。
　　　　？姉さん？」
　ゴゴゴゴゴ
仁　科「ぶ、部長が燃えている？」
　舞　「わかったわ、田中さん！やるわ、私！
　　　　みんな、しっかり見ていなさい！」
　ゴクリ（全員が息をのむ音）
　舞　「まずリボンを取って！
　　　　ヘアバンドして！
　　　　青のセーラー服を着れば！
　　　　あっというまにふじさ・・・」
　ドカ！バキ！グシャ！メキ！パコ！
　舞　「・・・キュウ・・・」
田　中「あなたわー！一番やってはならんことをー！」
黒　川「・・・この部、大丈夫なのかしら・」

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　「笑うドーバー海峡横断部の生活」　風雲編１

　舞　「ミーティングのコーナー！」
　むしゃむしゃ　ばくばく　ごくごく・・・
　舞　「・・・ちょっと、みんな聞いてるの？」
京　子「いやあ、だって運動するとおなか空くじゃない？」
田　中「そうそう。部長だって体脂肪つけろって日頃から言ってるじゃない？」
黒　川「・・・（ううーむ、これなら売り上げ倍増どころか３倍は行くわね
　　　　もっと店長にバイト代ふっかけてもいいかも？）」
高　野「何をにやにやしてるんですか？黒木さん？」
　舞　「大体わかるけどね・・・。
　　　　まあいいわ。食べながらでも聞いてちょうだい。
　　　　まず今日の議題の現状までの各員の泳力ですけど・・・
　　　　水泳部の私に陸上の田中さんと空手の京子はまあ問題なし。黒川さんは
　　　　一応人並みで今後の鍛錬次第だけど、あとの二人はもうちょっとがんばっ
　　　　て欲しいわ」
仁　科「ごめんなさあい・・・もぐもぐ」
鈴　木「私もがんばってるんだけど・・・ぱくぱく」
　舞　「・・・（ため息）
　　　　なにかいいレベルアップの方法ってないかしら？ちょっと先行き不安だわ」
高　野「はーい！提案があります！」
　舞　「あら？珍しいわね、高野さんから発言なんて。なにかしら？」
高　野「ええっと、私もマネージャーとして皆さんの体調管理してますから、お二
　　　　人の事は気にかかってました。
　　　　で、これをもってきたんですが・・・」
京　子「なにそれ？かつら？」
鈴　木「それでなにをするんですか？」
高　野「はい。じつはこれ、仁科さんのはおさげの部分が、鈴木さんはお団子の
　　　　ところが超電磁スクリューになっていて、つけてるだけで泳力倍増とい
　　　　う超発明！」
田　中「一体どっからもってきたのよ！そんなもの？」
高　野「私のおじさんで、軍事技術専門の研究者の人がいまして、その人に作って
　　　　もらったんです。荒巻って言うんですけど」
京　子「・・・やっぱり」
黒　木「動力はどうするのよ？」
高　野「水着の胸にパット状の特殊バッテリーが入ってまして、バストアップもか
　　　　ねるという優れモノなんです」
仁　科「あ、それいい・・・」
高　野「どうですか？部長？」
　舞　「・・・わざわざ口に出して言わないとわからないかしら？
　　　　不許可に決まってるでしょお！！」
高　野「しょぼ〜ん・・・」
　舞　「がるるるるる・・・他にもっと真面目な意見はないの！？」
京　子「仕方ない、ここは一肌脱ぎましょう」
　舞　「それはありがたいけど、まともなアイディアなんでしょうね？
京　子「お任せ！」
　ババッ！
黒　木「わ？ホントに脱がなくても・・・って？
　　　　あなた、その服の下につけてるモノは？」
京　子「これぞ最終兵器！ドーバー海峡養成ギプス！
　　　　仁科さんも鈴木さんも今日からこれで２４時間鍛えまくるのよ！」
　舞　「・・・だめだこりゃ」
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「笑うドーバー海峡横断部の生活」特訓編５

　舞　「英仏海峡横断部〜〜〜！！！」
どっぱーーーん！
　舞　「・・・決まったわ。まるでどこかの映画会社のクレジットのように・・・」
黒　川「何気取ったこと言ってるのよ！！」
田　中「寒いー！」
鈴　木「凍るー！」
仁　科「なんで突然海に来なきゃ行けないんですかあ！」
　舞　「そりゃープールじゃ波もうねりもないじゃない。本当の海で泳げるかどうか
　　　　は実際に試してみないと」
京　子「でも、こないだ冷水訓練始めたばっかで、これはないんじゃない？
　　　　私でもちょっとこたえる・・・」
黒　川「そうよそうよ！あんまりよ！」
　舞　「でも・・・」
黒　川「いくらなんでも今の日本近海の水温がドーバー並な訳無いでしょ！」
　舞　「それは・・・まあ・・・」
黒　川「本番でもないのにここまでやらされて、溺れたり怪我したりしたらどうする
　　　　のよ！部長ならそこまで考えなさいよ！」
　舞　「わ、わかったわ！わかったから！今回はウエットスーツ着用するから」
京　子「やりい！」
仁　科「でも黒川さんて押しが強いですねえ」
　舞　「だってほら、黒川さんてこの中で一番大人だし」
黒　川「ちょっとそれ、どーゆー意味よ！」
　舞　「いやその、ゲーム中で最初から『女の子』でなかったのって、この中じゃあ
　　　　あなただけでしょ？」
　がーーーん！！！！
黒　川「な、ななななな、何を言うのよおお！！」
高　野「そう言えばそうですね」
京　子「（・・・ひょっとして私だけ？）」
　舞　「あ、あの、悪気はないのよ？」
黒　川「ひどい！ひどすぎるわ！よりによってあなたに言われたくないわよおお！」
田　中「そりゃそうだ」
　舞　「ご！ごめんなさい！謝るから許して！」
黒　川「・・・じゃあ、次からミーティングはＯＴＩＭＴＩＭでやってね。もちろん
　　　　一人５００円以上注文すること」
　舞　「へ？」
黒　川「うう〜ん、これはかなりの売り上げアップね。店長にバイト料アップを相談
　　　　しなくちゃ」
　舞　「（・・・謀られた）」
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「笑うドーバー海峡横断部の生活」　特訓編４

　舞　「えーふつかいきょー！おーだんぶっ！」
　ガチガチ・・・ブルブル・・・
　舞　「ちょっとみんな！前回に続いて今回も元気ないわねえ。
　　　　まだ練習はこれからなのに」
田　中「じゃ・・・じゃあ、なんで今日はプールの窓がみんな開いて吹きさら
　　　　しなのよお！」
黒　川「おまけにプールに氷まで浮かんでるー！」
仁　科「さ、さむいーー！！」
鈴　木「凍っちゃうーー！！」
　舞　「今日は冷水特訓なの！ドーバーの水温は夏でも日本の冬並のセ氏１６
　　　　〜１７度しかないのよ。これに耐えなきゃダメなの」
黒　川「そんなこと〜！」
　舞　「ええ〜い！泣き言を言わない！だから普段からたくさん食べて体脂肪
　　　　率を上げてねって言ったでしょ？切実な問題なんだから」
田　中「そんなに言うなら部長がまず泳いで見せてよ」
　舞　「もっちろん！私の泳ぎを見なさい！
　　　　今日は特別に水泳部で鍛えた華麗な飛び込みも見せるからね。えいっ！」
　ご〜〜〜ん！！
　舞　「キュウ・・・」
鈴　木「きゃあ！大変！部長が氷に頭ぶつけてのびちゃった！」
仁　科「助けないと！」
黒　川「誰が飛び込むの？」
　しーーーん
京　子「もう、しょうがないお姉さんね」
仁　科「京子さん、平気なんですか？」
京　子「平気平気！・・・はい、引っ張ってきたから急いで医務室に連れてい
　　　　ってあげて」
鈴　木「部長！しっかり！今、真子先生のところに連れていきますからね！」
黒　川「・・・しかし京子ちゃん、寒くないの？」
京　子「全然。なんたって私、空手の寒稽古で鍛えてるモン」
黒　川「なるほど」
田　中「でも、毎回練習じゃ私たちと同じぐらい苦しそうじゃない？」
京　子「う・・・実は私、持久力が必要な分野は苦手なのよね・・・
　　　　でも！今回から秘密兵器があるのよ！」
田　中「秘密兵器い？」
京　子「この子よ！」
田　中「わ、わああああああ！ワニいいい！」
黒　川「なんでワニがああ！」
京　子「大丈夫、大丈夫！私のペットのワニ子ちゃんよ。
　　　　この子に見えないよう引っ張ってもらっちゃおうと言うわけ」
黒　川「そんな無茶な・・・あら、なんだか元気ないわね」
京　子「え？あら？どうしたのワニ子ちゃん！」
田　中「もしかして・・・ワニって熱帯の動物だから、寒いのはダメなんじゃ
　　　　ないの？
京　子「ワニ子ちゃん！ワニ子ちゃん！眠っちゃダメ！寝たら死ぬわよ！」
黒　川「・・・（なんてよく似た姉妹なんでしょう）」
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「笑うドーバー海峡横断部の生活」　特訓編３

　舞　「えーふつかいきょーおーだんぶー！」
　ハアハア・・・ゼエゼエ・・・
　舞　「ちょっとみんな！元気ないわよ？」
黒　川「・・・１０００ｍも泳いで、元気なわけないでしょ？」
高　野「・・・（見てるだけで良かったあ）」
田　中「水泳がこんなにきついとは・・・」
仁　科「もう・・・もう、およげませ〜ん・・・」
京　子「私も・・・お姉さんよく平気ね」
　舞　「何言ってるのよ、これぐらいで。
　　　　本番じゃあ潮に流される分距離が伸びるから、３０キロのドーバーを
　　　　横断するのには一人１０キロは泳がないと行けないのよ？」
京　子「ひええ・・・」
鈴　木「まあ何とかなるんじゃないですか？
　　　　仁科さんも泳げるようになったことだし」
黒　木「そういえば鈴木さん？あなた、何でそんなに元気そうなの？」
鈴　木「ああ。これ、皆さんもどうですか？
　　　　自家製のハーブティーなんですけど、疲れたときにとってもよく効く
　　　　んですよ」
田　中「どれどれ・・・ん〜、なんか気分が軽くなってきたわね」
鈴　木「でしょう？」
京　子「ああ〜、なんか晴れ晴れとした感じすらするわ！」
黒　木「でもこんなお茶、私でも飲んだこと無いわねえ」
仁　科「あは、あは、あははははは！私、とっても元気で〜す！」
　舞　「なんか変ね・・・鈴木さん、それって何の葉っぱのお茶なの？」
鈴　木「ええっと、『ピーー』って言うんですって」
　ドンガラガッシャーン！！！
　舞　「きゃ、却下ーーー！！！」
　パッカーン！！
鈴　木「痛い痛い痛いい！何も殴らなくてもー！」
　舞　「お黙りなさい！事の重大さがわからないの！」
田　中「ドーピングにも問われちゃうかもねえ」
京　子「そう言う問題でもないと思うけど」
　舞　「まったく、どっからこんなモノ持ってきたのよ」
鈴　木「なんか、バイト先のお花屋さんが取り寄せた海外からの輸入植物に間
　　　　違って入ってたんです。一度は店長さんがすぐ捨てちゃったんだけど、
　　　　なんかかわいそうだから私がこっそり拾って育ててたんですけどお、
　　　　匂いが強そうだからお茶にしてみたんですけど、いけなかったんです
　　　　か？」
　舞　「いけないに決まってるでしょ！警察に見つかったら捕まっちゃうわ！
　　　　すぐ処分なさい！いいわね！」
鈴　木「グスン、はあい」
　舞　「まったく・・・ところでその植物の話、他に漏らしてたりしてないで
　　　　しょうね？」
鈴　木「あのお、１カ所だけ、どうしても欲しいって言う人がいたんで分けて
　　　　あげたんですけど」
　舞　「だれに？」
鈴　木「なんでも、如月町のステーションホテルで黒服している人だとか。
　　　　カップル向けの食事に合うんだって言ってましたけど」
　舞　「・・・」
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「笑うドーバー海峡横断部の生活」　特訓編２

　舞　「えいふつかいきょーおーだんぶー！」
　パチパチパチ
　舞　「さあて、前回はどさくさで終わったけど、今回こそは泳いでもらうわよ！」
全　員「は〜い」
　舞　「じゃあ全員スタート位置に着いてね
　　　　ちょっと、京子？」
京　子「はい？」
　舞　「スタート台に立ってどうするのよ。
　　　　遠泳なんだから、スタートは水に入ってからよ」
京　子「え〜？それじゃ距離が稼げ無いじゃない」
　舞　「だからあ、遠泳だからそれでいいの！
　　　　本番だって、交代は泳ぎながらやるんだから」
京　子「は〜い」
　舞　「・・・ちょっと、仁科さん？」
仁　科「はーい？なんですかあ？」
　舞　「その、手に持っているものはなあに？」
仁　科「ピート板〜！」
　舞　「不許可〜！！！」
仁　科「え〜、なんで〜？」
　舞　「そんなの使うのは泳ぐとは言わないの！
　　　　高野さん、各人の練習管理はあなたの仕事でしょ？注意しなかったの？」
高　野「ええと、いけなかったんですか？」
　すってーん！
　舞　「あ、あなたねえ・・・
　　　　声が赤ずきんチャチャだからって、そんなボケかまさなくていいのよ！」
高　野「ご、ごめんなさい」
仁　科「でもお、私これがないと息継ぎできないんで５ｍぐらいしか泳げないん
　　　　ですよ？」
　ぷっつーん
　舞　「・・・じゃあ、こっちに来なさい」
仁　科「そっちって、ダイビング用のプールじゃないですか？」
　バッシャーン！
仁　科「きゃあ！いきなり突き落とすなんてひどいー！助けてー！」
　舞　「お黙りなさい！泳ぎなさい！泳ぐのよ！
　　　　今日中に１００ｍ泳げるようになれないと、あなたにイギリス行きは
　　　　ないのよ！」
仁　科「ああ〜ん！お兄ちゃ〜ん！！」
全　員「・・・（練習だけは休まないようにしないと命はないわね）」

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「笑うドーバー海峡横断部の生活」特訓編１

　舞　：「えいふつかいきょ〜お〜だんぶ〜！！！」
仁　科：ドンドン！
鈴　木：パフパフ！
田　中：「・・・なんで鳴り物が？」
黒　川：「謎よね・・・」
京　子：「まあいいじゃない」
高　野：（よかった、私にも出番があって）
　舞　：「は〜い！皆さん。ご苦労様です！今日はやっとメンバー６人全員が
　　　　　そろったと言うことで、初の合同練習をやります！」
全　員：「は〜い」
　舞　：「とりあえず、２５０メートル４本！」
全　員：「え〜！？」
　舞　：「これでへばってどうするの？まだまだこれは序の口なの！
　　　　　本番は一人最低１０キロは泳ぐのよ？」
全　員：「うへ〜・・・」
　舞　：「はいはい、わかったら準備準備。
　　　　　・・・でもその前に言っておきたいんだけど、田中さん？」
田　中：「はい？」
　舞　：「プールにはいるときはちゃんと水泳キャップをかぶりなさい！
　　　　　不衛生でしょ？
田　中：「え、いやでも・・・」
　舞　：「でもじゃないの！あなたもスポーツウーマンなんでしょ？マナーは
　　　　　守ってちょうだい」
田　中：「その、だって・・・」
　舞　：「あー！もう！いらいらする言い方ね！何が問題なの？」
田　中：「つまり私・・・髪が多すぎてキャップが入らないのよね・・・」
　舞　：ドテ！
田　中：「特に小説版の表紙なんか、地面につきそうなぐらい長くされちゃっ
　　　　　て、ホント困ってるのよねー」
京　子：「私も結構苦労したけど・・・。そーいえばお姉さん、ゲーム中じゃ
　　　　　部活中でもかぶってないんじゃなかった？」
　舞　：「ＯＡＶじゃ、ちゃんとかぶってたわよ！」
仁　科：「ああ、そういえば」
黒　川：「まあ、私は最初からショートだから関係ないけど」　　　　　
田　中：「何か秘密でもあるの？」
高　野：「寝ると伸びるけど、起きてる間は短くなるとか・・・」
京　子：「それ、言っちゃダメだって」
　舞　：「・・・仕方ないわね。田中さん、このキャップ、貸してあげる」
田　中：「これってただのキャップだけど？」
　舞　：「いいから試してみて」
田　中：「・・・」
　　　　スポ！
田　中：「入った！」
鈴　木：「すごい、すごい！」
田　中：「おまけに全然きつくない？どういうこと？」
　舞　：「そのキャップね、桜木家の親戚筋に当たる、さる『やんごとなきお
　　　　　子さま』の家系に代々伝わる烏帽子の生地で作ったのよ」
全　員：「？」

　続く
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「どうしよう、困ったわ・・・
　でもいったいどうして？なぜなの？
　なんで『同級生』といいながら女子高生が５人しか出てこないの？
　メンバーは６人必要なのにい！！！
　・・・こうなったら斉藤先生か芹沢先生あたりに
　むりやりセーラー服着せてしまうしか・・・？」
「ちょっとちょっと、
　そんな大昔のポルノ映画みたいな無理な真似して通る訳ないでしょ？」
「？」
「ふっふっふ。私が来たからにはもう安心よ。
　一つ大船に乗ったつもりでどーんと任せちゃってちょうだい！」
「・・・あの・・・あなた、どなた？」
　ドタ！
「あ、あなた、自分の妹の顔を忘れたの？」
「・・・ああ！京子ちゃん！
　ごめんなさい、すっかり忘れてたわ」
　ズテ！
「だってあなた、ＰＣＥ版とＳＳ版に出ただけで、
　ＰＣ版は９８用にもＷＩＮＤＯＷＳにも出てこないんですもの」
　グサ！
「それにＳＳ版は作者がやってないからよく知らないけど、
　ＰＣＥ版じゃエンディングさえない完全なおまけキャラだものねえ」
　グサ！グサ！
「あら？どうしたの？」
「・・・。き、効いたわよ、今の攻撃・・・」
「ホントの話をしただけだけど？」
「わ、私だって、本当は９８版からちゃんと出番はある予定だったのよ！」
「没っちゃったのよねえ」
　グサグサグサグサ！
「う、ううう・・・お、お姉さんこそ！
　主役級としてキャラデザインされながら、
　（毘沙門天松茸氏に敬意を表して省略）！！！」
　ちゅどーーーーん！！
「あ・・・あ・・ああああ、言うてはならんことを・・・」
「・・・口にしてみて、自分まで情けなくなってきてしまったわ」
「・・・と、とにかく、へこんでる場合じゃないんだわ。もう時間がないんだから」
「ま、そーいうわけだからリベンジマッチとしてこの英仏海峡横断部、
　私、桜木京子もメンバーに入れてちょうだい！」
「泳ぎの方は大丈夫なの？」
「まーかせて！空手で鍛えてるんだから！」
「そう、それじゃお願いするわ！
　あと、高野さんにマネージャーとして
スケジュールや練習メニューの調整をしてもらうとして、
いよいよ目指すわよ、ドーバーへ！」


　「笑うドーバー海峡横断部の生活」第５回
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「こんにちわ。桜木さん」
「あら、どうしたの？中山さん？」
「鈴木です！あの・・・実はお願いがあるんだけど・・・」
「まあ私に何かできることなのかしら、中井さん？」
「だから鈴木です！
　あのですね・・・あなた達の英仏海峡横断部に私も入れて欲しいんです！」
「え？本気なの、菅野さん？」
「違うの！鈴木！鈴木です！」
「ご、ごめんなさい。
　・・・で、改めて聞くけど、本当に本気なの？」
「はい！お願いします！」
「それはまあ・・・。
　今まだ部員が足りないし、入ってもらえるなら願ったりかなったりだけど・・・。
「じゃあいいんですね！やったあ、ありがとうございます！不知火さん！」
「桜木でしょ！よりによってなんてモノと間違えるのよ！
　・・・ま、それはともかく練習は厳しいわよ？
　なんてったって、史上初の女子高生だけによる
　ドーバー海峡横断を狙っているんだから」
「はい！がんばります！」
「頼もしいわね、こちらこそよろしく。
　・・・でもどうして？
　あなた、こう言ってはなんだけど運動が得意そうにも見えないけど・・・」
「・・・ええっと、内緒にしてもらえますか？」
「秘密にして欲しいというなら守るけど？」
「実は私・・・好きな人がいるんです！」
「・・・そ、それで？」
「だから、なにかロマンチックな告白したくって。
　・・・苦しい試練に耐え、ドーバー海峡の願いが通じたら
　長い間ずっと積み重ねてきた思いを告白する・・・
　って、いいでしょ？少女マンガみたいで？」
「そ、それはまあその・・・人好きずきだから・・・」
「あああ！」
「え？どうしたの？」
「いや〜ん！こんな大事な大事な秘密の計画、初めて人に話しちゃったあ！」
　は、恥ずかしいいいい！」
　タッタッタッタッタ（走って逃げ去る音）
「・・・あの子、特別居残り特訓を毎日３時間はさせないとね・・・」

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「仁科さ〜ん」
「あ、桜木先輩」
「先輩？なんで？」
「私、窓版では下級生なんです」
「そうなの？・・・まあいいけれど」
「私に何のご用ですか？」
「そうそう。あなた、私たちの英仏海峡横断部に入ってくれない？」
「ええ？私がですか？」
「そう。部員がどうしても足りないの。お願いできない？」
「でも私、体力とかに自信ないし・・・」
「今なら遠征の帰りにフランスパリディズニーランドのフリーパスもつけるわ」
「入れてください！」
「わあ、ありがとう！」
「がんばってディズニーランドを目指します！」
「目指すのはドーバーなんだけど・・・・。
　まあ、後は練習次第ね。一緒にがんばりましょう。
　それと仁科さん、あなたにはもう一つお願いしておきたいんだけど」
「はい？何ですか？」
「申し訳ないけど、体重を今よりもっと増やしてね」
「ええ？私、まるこちゃんになっちゃう！
　どうしてですか？」
「だって、ドーバーの水は冷たいのよ。日本の寒中水泳と変わらないぐらいなの（ホント）
　体脂肪率を上げておかないと体が持たないわ」
「う〜ん。私、ローソクの熱いのや、鞭の痛いのは好きなんだけどなあ・・・」
「・・・え？」


　「桜木舞の笑うドーバー海峡横断部の生活」
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「黒川さ〜ん！」
「あら、桜木さん。私に何か用？」
「実はお願いがあって。私たちの部に入ってくれない？」
「部って？」
「英仏海峡横断部よ」
「？？？なんで私がそんなのに？」
「あなたには素質があるもの」
「私に？何かの間違いでしょ？
　ウエイトレスのバイトしてるぐらいで、水泳なんて・・・」
「じゃあ教えてあげる。
　あなた、お店に人が多くて、テーブルの隙間が狭いとき、
　どうやってメニューを運んでる？」
「ええと、こう体を横にして進んで行くわ」
「前からお客さんが歩いて来たら？」
「体を返してかわして・・・」
「それを繰り返して」
「横に進んで、ターンして、横に進んで、ターンして・・・」
「ほら！クロールと同じ動きじゃない！」
「ああ！いつの間に！」
「ね？あなたには自分でも気づかない内にこの才能が目覚めていたのよ！」
　ということで、部員になってね（ハート）」
「そ、そんなの・・・」
「練習は矢吹町の遊園地のプールで５時からね」
「で、でも・・・」
「なんと言っても、常日頃からの練習がすべてですもの。
　うちの会社のセキュリティサービスの人を迎えにやるから忘れないでね？
　草の根分けても探し出すから、さぼらないでね」
「あ、あのお〜・・・」
「じゃあ私先に行ってるから。
　さあ！一緒にドーバーを目指しましょうねえ！」
「・・・がんばれ〜、負けるな〜、力の〜限り〜・・・」

　「桜木舞の笑うドーバー海峡横断部の生活」
　一応続く。
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「田中さん？」
「あ、桜木さん」
「聞いたわ。陸上部やめちゃったんですって？」
「ええ・・・足、怪我しちゃったし」
「そう、残念ね。・・・ねえ、よかったら水泳やらない？」
「え？」
「ほら、プロスポーツ選手もよくリハビリでやってるでしょう？
　それに全身運動だから美容にもいいのよ？」
「そう・・・そうね、いいわ。やってみる」
「よかった、うれしい！
　じゃ、お礼にこのＴシャツをあげる」
「わあ、ありがとう・・・あの、ちょっと？」
「なあに？」
「このＴシャツに書いてある・・・「英仏海峡横断部」って何？」
「部の名前よ」
「水泳部じゃないの？」
「私、最初から水泳部とは言ってないけど」
「・・・あの・・・ええっと・・・マジなの？」
「さあ、あと部員を４人集めないと。６人一組なのよね」
「さ、桜木さーん！」
「行くわよお、ドーバーが私たちを呼んでるわ！
　目指せ！現役女子高生初の遠泳横断記録！！！」

　「桜木舞の笑うドーバー海峡横断部」
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ところで突然思いついたんだが足跡代わりにショートショートを一つ。
　・・・
「舞ちゃん！せっかく海にきたんだし、あそこの無人島まで行ってみようか？」
「え？たくろう君、あんなところまで泳げるの？」
「水泳なら、俺様に任せてくれ！
（ホントは煩悩パワーが頼りだが、無人島に着いたら・・・へっへっへ）」
「そうなんだ。じゃあそれよりあっちの遠泳大会に一緒に出ましょ？」
「へ？」
「私、たくろう君の分もエントリーしてくるわね」
「（し、しまった！水泳部だった！）ま、舞ちゃん！」
「なに？」
「・・・浮き輪、使ってもいいかな？」

　タイトルは「桜木舞のドーバー海峡横断部」ではどうだろうか？
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